夫の「移住したい」の一言で人生激変!? 移住はポジティブシンキングでなんとかなる!!

【トップ画像】左:麻莉さん 右:夫の勝浩さん

突然パートナーが「ワイン用ぶどうを栽培し、将来ワイナリーを建てたいから、会社員をやめて移住したい」と言ったらどうしますか?

今回お話を聞いたのは、長野県飯綱町に暮らす玉井麻莉(たまい・まり)さん。2020年6月に、夫の勝浩さんとお子さんの3人で横浜から移住しました。

夫から突然の告白を受けた麻莉さんは…

「ほんとに離婚しようかと思いました(笑)冗談でしょ?って感じで。ワイン好きなのは知ってたけど、ワインづくりなんてすぐできるものじゃないし、何考えてんの?って思いました」

これからどうなるのか…不安でいっぱいだった麻莉さん。しかし、現在は「都会に比べたら不便なところもあるけど、ポジティブに捉えて生活を楽しんでます!」とのこと。

麻莉さんが不安をどう乗り越えたのか、そして今どんな暮らしをしているのかお聞きしました。

夫の頑固さに負けた決断 移住前は不安しかなかった 

数年後のワイナリーOPENに向けて苗木を育成中

最初に移住の話が出たのは、実際に移住する3年前でした。

「当時は横浜に住んでいてました。、この先も都会で暮らすんだろうな〜って思っていました。横浜で暮らして3年くらい経ったときに、“ワインつくりたいから移住したい”って急に言われたんです(笑)」

移住したらどうなってしまうのか、麻莉さんは不安しかなかったそうです。

「まず仕事をどうしようかと思いました。私は好きな仕事をしていたため、仕事を続けたいし、コロナ前から一部テレワークだったんですけど、出社する日もあったので…。それに、脱サラして独立ってなると、収入は減るし不安定だし、友人もいないし、暮らしていけるのか不安で…。それに、私は静岡県の浜松出身で、その後全国転々と仕事の都合で転勤したものの大都市に住んできたので、いきなり地方に移住して大丈夫かなって思ってました。」

しかし、夫の勝浩さんの一言が移住の決め手になりました。

「話し合いするなかで、これは冗談じゃなくてどうやら本気だぞってことが分かってきて、ついには“離婚してでもやる!”って言われたので、この頑固な決心は変えられないなと思って覚悟を決めました。あとは、コロナ禍になって仕事がほぼフルリモートでできそうになっていると同僚が教えてくれたのが大きかったです。また上司や同僚も、事情を汲んでくれて応援するよって温かい言葉を、育休中なのにも関わらず言ってくれたことに本当に感謝しかありません。。」

てんやわんやの移住生活

大雪後の自家用車

移住前に不安を抱えていた麻莉さん。移住後にもさまざまな気づきがありました。

「出張に行くときが大変だなと思いました。電車と空港の接続もあんまりうまくいかなくて、特に九州はすごく遠く感じます(笑)移動手段で言うと、家から徒歩圏内には、郵便局とコインランドリーくらいしかなくて、あとは車を使ってますね。」

家での暮らしでも困ったことは多かったようです…。

「家庭菜園をやり始めて、草刈りがこんなに大変だとは思いませんでした!ビーバーなんて使ったことがなかったのでやり方も分からないし、除草剤も初めてでした。あとは虫ですね!家の前の田んぼに虫がたくさんいて、どうなってんの!?って旦那に怒ってました(笑)今はさすがに慣れましたけど。」

信州の冬といえば雪、なかでも飯綱は豪雪地帯です。雪のある暮らしについても聞いてみました。

「とにかく寒いです(笑)今までとはっきり違うのは灯油代がかかることですね。家計的にはけっこう痛いですが仕方ないですね。光熱費の節約には限界があるな〜と思いました。雪かきは想像していたよりも重労働ですね。道具代にも1万円以上かかったし…。雪に埋もれた車を出すのに苦労してます。雪をかいて、ぬるま湯で氷を解かして、エンジンをアイドリングしてって…雪国では当たり前なんでしょうけど私には一苦労です。ただ雪かきはリモートワークが多い私には良いエクササイズで、楽しんでやっています。」

飯綱は人生観に合う場所

家庭菜園で育てた野菜たち

困ったことがあった一方で、メリットもたくさんあるようです。

「以前は近くにコンビニがあったので、ついいろんなもの買ってしまってたんですけど、今は最寄りのコンビニまで車で10分以上かかるので行かなくなって無駄遣いが減りました。土日もショッピングできるところがないので、土いじりしたり温泉行ったりしています」

また、人付き合いの部分でも都会と地方の差を実感しています。

「近所の人がよく気にかけてくれて、朝6:30に朝ご飯のお裾分けが来たりするんですよ!最初はとてもとても驚いたんですけど(笑)移住者も周りに多くて、一緒にみそ作りしたり、野沢菜を30kgくらい作って配ったり…楽しくやってます」

最近は移住に補助金(※1)が出る話をよく聞きますが、実際のところどうだったのでしょうか?

「今住んでいるのが、新規就農者専用の賃貸住宅です。東京で参加した就農フェアで知って、実際に見学させていただき決めました。農業用倉庫もついてます。ワインがお金になるのはまだまだ先なので、本当に助かってます。あと、ワインの苗木補助を頂いているのもとても助かっています。!」

(※1)飯綱町の就農補助について詳しくはこちら

コロナ前に移住を考えはじめ、コロナ禍で移住。麻莉さんにとってこの移住はどんな意味を持つのでしょうか?

「人生1回しかないので、好きなことしていることが一番じゃないかなと思っています。飯綱に移住して、旦那は旦那で、私は私でやりたいことをやれている気がします。仕事大好きな私としては、平日はすごい仕事に集中して、休日は畑で子供と遊んだりアウトドアで過ごすことができていて、心のバランスが取れています。」

移住は“ポジティブな人”におすすめ

冬の飯綱町 後方には飯縄山

最後に、どんな方が移住に向いているのかを聞いてみました。

「何にでもポジティブな人が合っていると思います。今までとは違う環境に暮らすわけですし、人間関係も新たにつくる必要があるので、そんな状況でもめげない人におすすめします。あとは、お家時間楽しむのが好きな人とか、近くに飲食店がないので料理するのが好きな人にもおすすめです。お子さんがいる方も良いと思います!」

「お子さんがいる方も良い」という言葉には、麻莉さんの経験が込められています。

「妊娠中にコロナ禍になったので、電車に乗るのも怖くて40分歩いて健診に行ってました。買い物などの外出も必要最低限にしていて、元々アウトドア派の私には辛かったです。話す相手も家族しかいなかったですし、正直疲れてました。」

移住後の今は、都会で感じていたストレスがなくなったそうです!

「まず、隣の家と離れているので、泣き声とか気にしなくていいです。支援センターのイベントにもよく参加してます。初めての育児なので、気軽に相談できる環境があってよかったです。あとは、インフルエンザやおたふくのワクチンに補助があったり、病後児保育が無料なのも助かります。近所の人とは、散歩や買い物の時にコミュニケーションがとれるのも良い息抜きです。」

【編集後記】

夫・勝浩さんの夢をきっかけに移住することになった麻莉さん。最初は不安だらけだったものの、移住後は持ち前のポジティブシンキングで充実した生活を送っているといいます。みなさんも、自分の心と向き合い、ポジティブになれる選択をしてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

宮川周平
宮川周平
sharing love 探究者
“愛をわかちあう瞬間を増やしたい”をモットーに、執筆・キャリア教育・海外ボランティアなどやってます。

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